先週、ケララ州を襲った記録的な豪雨と洪水についてお伝えしました。
一週間が経ち、トーマスさんからその後の様子について連絡が届きました。
幸いにも、SEEDS-INDIAの皆は無事に過ごしているとのことです。
洪水の水も多くの地域で引き始め、被災地では少しずつ復旧作業が始まっているとのことでした。
今回ケララを襲った雨は、当初考えられていた以上に激しいものだったようです。
8月1日から4日までの4日間に、ケララ州では205.8mmの雨が観測されています。
同じ期間の平年値は73.2mmで、平年を181%も上回る雨量となりました。
特に8月初旬には州内の広い範囲で非常に激しい雨が続き、河川が急激に増水しました。
低地では次々と道路や住宅が水につかり、山間部では土砂崩れも発生しました。
SEEDS-INDIAがあるのはパタナムティッタ県という場所になりますが、大きな影響を受けた地域のひとつだったようです。
7月31日の時点で、パタナムティッタ県には大雨に対する警報が発表されていましたが、その後も雨は続きました。
SEEDS-INDIAの近くを流れるパンバ川は、西ガーツ山脈から流れ下る大量の雨水を集めるとても大きな川です。
この川の水位が急上昇し、川沿いの低地へと水が広がりました。
SEEDS-INDIAの周辺地域でも道路や住宅が浸水し、支援している子どもたちが暮らす地域にも被害が及んだようです。
写真は何年か前の乾季の時のものですが、SEEDS-INDIAの近くのパンバ川です。
8月に入ってからも雨は収まらず、州内では洪水や土砂崩れが相次ぎました。
今回の豪雨による被害は、先週の記事を書いた時点からさらに拡大し、8月5日までに25人が亡くなり、4人が行方不明となりました。
1万8,000人以上が自宅を離れて避難し、州内各地に設けられた避難所で過ごすことになったようです。
住宅への被害も大きく、52棟が全壊、565棟が一部損壊したと報告されています。
現在は、雨のピークを越え、水位が下がり始めています。
しかし、水が引いても、家の中には泥や汚れが残っているようです。
これから家の中に入り込んだ泥をかき出し、水につかった家具や生活用品を片づけ、床や壁を洗浄する作業が待っているとのこと。
さらにケララでは、生活用水を井戸に頼っている家庭も少なくありません。
洪水によって泥水や汚水が入り込んだ井戸は、そのまま使うことができないため、清掃や消毒を行い、再び安全な水を確保しなければなりません。
今回の洪水は、子どもたちの日常にも大きな傷跡を残しました。
トーマスさんによると、多くの子どもたちが教科書やノートなどの学用品、通学用のバッグ、学校の制服などを洪水で失ってしまったそうです。
SEEDS-INDIAでは今後数週間をかけて、こうした子どもたちへの支援を進めていく予定です。
先週お伝えしましたが、洪水が発生した直後からSEEDS-INDIAはパンやバナナ、衣類などを集め、行政や救助隊と連携しながら避難所や被災地域へ支援物資を届けてきました。
避難所の様子はプライバシーの観点から撮影できなかったとのことで、今回の写真はありませんが、多くの人々が困難な状況にあるようです。
今回の洪水は現地の人々にとっても予想外の規模で、SEEDS-INDIAも急きょ救援活動に加わったことから、予定していなかった多くの費用が必要になったとのことでした。
緊急時の食料や衣類を届ける支援から、今度は家や井戸をきれいにし、子どもたちが再び学校へ通える環境を整える支援へ、必要とされるものも変わり始めます。
毎月の教育支援を行う子どもたちとその家族についても、状況が落ち着けば9月最後の週に集まってもらう機会を設けたいと、トーマスさんは話しています。
家をきれいにすること。
井戸を再び使えるようにすること。
子どもたちに教科書やバッグ、制服を届けること。
一つひとつは小さなことのように見えるかもしれませんが、その積み重ねが、被災した人々がいつもの生活へ戻るための大切な一歩になります。
子どもたちとその家族が一日も早く穏やかな日常を取り戻せるよう願い、活動をサポートできればと思います。
— ・ — ・ — ・ —
SEEDS-INDIAでは長年にわたり、核兵器に反対し、平和を願う活動を続けています。
今年も原爆の日にあわせて、トーマスさんから広島・長崎の被爆者に心を寄せるとともに、平和への祈りが届きました。
そして、熊本の状況についても、とても心配しているとのことです。
ケララでも、日本でも、そして世界各地でも、さまざまな困難の中にいる人々がいます。
災害によって失われる日常も、争いによって失われる日常も、一日も早く穏やかなものへと戻っていくことを願ってやみません。
遠く離れた場所にいてもお互いを思いやる気持ちを大切にしながら、世界に平和と安らぎが広がっていくことを願いたいと思います。

