前回、8月初旬にケララ州を襲った豪雨と洪水について、その後少しずつ水が引き始め、被災した地域で復旧作業が始まっていることをお伝えしました。
あれから少し時間が経ち、状況は落ち着いているようですが、今回の豪雨について分かってきたことがあるようなので、まとめておきたいと思います。
これほど激しい雨が降り、各地で洪水や土砂崩れが起きたケララですが、実は今年のモンスーン全体で見ると、雨の量は今も平年より少ないのだそうです。
8月12日付のインド紙「The New Indian Express」を見ると、ケララ州では今年の南西モンスーンによる降水量が、平年を22%下回っています。
洪水が起きるほどの雨が降ったのに、雨不足が続いています。
今年の雨の降り方を振り返ると、その理由が見えてきます。
ケララでは6月から7月にかけて、例年に比べて雨の少ない状態が続いていました。
7月末の時点では、6月と7月を合わせた降水量が平年より約34%少なくなっていました。
しかし、7月末から8月初旬にかけて状況が一変しました。
短い期間に非常に激しい雨が集中し、河川が急激に増水しました。
低地では住宅や道路が浸水し、山間部では土砂崩れも発生しました。
SEEDS-INDIAがあるパタナムティッタ県も、大きな影響を受けた地域のひとつでした。
前回の記事でもお伝えしたように、SEEDS-INDIAの近くを流れるパンバ川も大きく増水し、川沿いの地域では多くの人々の暮らしに影響が出ました。
インド気象局は、8月初旬に起きたこの豪雨について、「短期間に発生した極端な降雨だった」と説明しています。
この数日間の雨によって、それまで34%あったモンスーンの降水量不足は22%まで縮まりました。
しかし、モンスーン全体が通常の状態に戻ったわけではありません。
6月と7月は雨の降る日そのものが少なく、そこへ数日間だけ非常に強い雨が集中しました。
今年のケララでは、雨が平均的に降り続いているのではなく、雨の少ない期間が続いたあとに、短い時間で大量の雨が降るという、とても偏った雨の降り方になっているようです。
季節全体の雨量が少なくても、短い期間に大量の雨が集中すれば、河川の氾濫や土砂崩れは起こります。
今回ケララで起きた洪水は、そうした雨の降り方の難しさを改めて感じさせるものとなりました。
インド気象局によると、8月後半から9月にかけても、南西モンスーンの雨量は平年を下回る可能性があると予想されています。
その一方で、今回のような短期間の強い雨が再び起きないとは限りません。
雨が少ないから安心できるというわけではなく、これからも天候の変化を注意して見ていく必要がありそうです。
今日の写真は、8月上旬の豪雨が起きる前に届いていたものなので、遅くなってしまったのですが掲載したいと思います。
タミルナードゥ州からの出稼ぎ労働者の方々へ生活物資を届けた時の様子です。
お仕事を終えて帰宅する頃の訪問になるので、写真が暗くて申し訳ありません。
明るい写真は、日中にトーマスさんが訪れた時のコミュニティの様子です。
お仕事を終えて帰宅する頃の訪問になるので、写真が暗くて申し訳ありません。
明るい写真は、日中にトーマスさんが訪れた時のコミュニティの様子です。
この支援が始まったきっかけは、2018年にケララ州を襲った大規模な洪水でした。
当時、ケララでは記録的な豪雨によって各地で大きな被害が発生し、この時も本当にたくさんの方々からサポートをいただきました。
被災した人々の中には、タミルナードゥ州から仕事を求めてケララへ来ていた出稼ぎ労働者の方々もいました。
出稼ぎ労働者の方々はケララ州政府からの支援を得られず孤立していたため、SEEDS-INDIAで生活に必要な物資を届けました。
この2018年の洪水をきっかけに始まったつながりは、その後も続き、現在もSEEDS-INDIAは必要に応じて生活物資を届けています。
大きなニュースとして報じられる洪水や豪雨は、雨が止み、水が引くと少しずつ人々の目から離れていきます。
けれども、そこで暮らしている人たちにとっては、水が引いたあとから生活を立て直す時間が始まります。
2018年の洪水をきっかけに始まった支援が今も続いているように、災害からの復旧や人々の暮らしを支える活動には、長い時間が必要なのだと思います。
そして今年、ケララは再び大きな洪水に見舞われました。
今回の洪水でも、SEEDS-INDIAは発生直後から行政や救助隊と連携し、パンやバナナ、衣類などを避難所や被災地域へ届けてきました。
今後は、家の中に残った泥の清掃や井戸の消毒、水につかった生活用品の買い直し、子どもたちの教科書やノート、バッグ、制服など、生活を取り戻すための支援が必要になっていくと思います。
また現地の様子が届きましたら、改めてお伝えしたいと思います。
日本でも熊本や千葉をはじめ各地で地震や豪雨などの災害が相次いでいます。
トーマスさんは活動を続けながら、日本で被害に遭われた方々のことも案じています。
自然の力を前にすると、できることの小ささを感じることがあります。
それでも、困っている人を思い、できることを少しずつ続けていくことには意味があるのだと思います。
いつもSEEDS-INDIAの活動を温かく見守り、支えてくださっている皆さまに、改めて心より感謝申し上げます。
皆さまから寄せていただくお気持ちは、子どもたちやその家族を支える本当に大きな力になっています。
日本でもケララでも、そして世界のどこにおいても、自然が穏やかで、人々が安心して日々を過ごせることを願っています。
まだ暑さの厳しい日が続きますので、どうか皆さまもご無理をなさらず、ご自愛ください。
これからも、子どもたちやその家族、そして困難な状況にある人たちが穏やかな日常を送れるよう、SEEDS-INDIAの活動を見守りながらサポートしていきたいと思います。







