8月初旬、激しい雨によって洪水や土砂崩れなどの被害が発生したケララ。
一時は各地で心配な状況が続いていましたが、その後は大きな被害をもたらした雨も落ち着き、少しずついつもの日常が戻っています。
ただ、現在は雨が少なく、通常この時期は32度前後のようですが、36度くらいの日が続いていて、厳しい暑さに直面しているようです。
毎月教育支援を行っている子どもたちは、元気に過ごしています。
9月には、子どもたちが施設に集まり、日々の暮らしに必要な生活物資を渡すことができました。
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支援では、引き続き毎日の食事に役立ててもらえるよう、栄養価のある野菜をはじめとした食料品や生活物資を用意しました。
また、8月上旬の豪雨では、洪水などの影響によってノートや学用品を失ってしまった子どもたちもいます。
そのため今回は、生活に必要なものに加えて、子どもたちが安心して学校での勉強を続けられるよう、ノートなどの学用品も一緒に届けています。
大きな雨から少し時間が経ち、ケララでは日常が戻りつつありますが、それぞれの家庭にはまだ小さなところで豪雨の影響が残っています。
必要なものを一つずつ補いながら、子どもたちがこれまでと変わらず学校へ通い、元気に学び続けられるよう支援を続けています。
今年のケララでは、雨の少ない時期が続いたかと思えば、突然激しい雨が降るなど、不安定なモンスーンとなりました。
大雨の後には、道路や家屋など目に見える被害だけでなく、仕事や収入、食料、衛生環境など、さまざまなところに影響が残ります。
それでも時間とともに少しずつ日常が戻り、子どもたちがこうして元気に過ごしていることをお伝えできるのは、とても嬉しいことです。
写真を見ると、子どもたちの元気そうな姿にほっとします。
現在、雨による大きな被害は落ち着きましたが、気をつけなければならないことがあります。
そのひとつが「デング熱」です。
デング熱は、ウイルスを持った蚊に刺されることで感染する病気で、熱帯・亜熱帯地域を中心に広くみられます。
ケララでも決して珍しい病気ではなく、特にモンスーンの季節には毎年注意が必要になります。
そんなケララのデング熱について、9月19日にニュースが掲載されていました。
インド熱帯気象研究所や医学研究機関、ケララ健康科学大学などの研究チームが、2006年から2019年までの14年間にわたるデング熱と気象のデータを分析したものです。
研究によると、ケララで確認されるデング熱のおよそ60%が6月から9月に集中し、患者数は5月頃から増え始め、南西モンスーンの時期にピークを迎える傾向があるそうです。
しかし、興味深いのは「雨が多ければデング熱が増える」という単純な関係ではないことです。
研究では、モンスーンが始まる前の気温や湿度、その後の降雨量など、いくつもの気象条件が組み合わさって、デング熱の増加につながっていることが示されています。
特に、モンスーン前に気温が高く、適度な湿度がある状態に加えて、モンスーン期にある程度まとまった雨が降ると、デング熱が増えやすくなる傾向が確認されました。
雨が降ると、家の周囲に置かれた容器やバケツ、古いタイヤなど、さまざまな場所に水がたまり、蚊が繁殖しやすい環境が生まれます。
一方で、非常に激しい雨の場合には、蚊の卵や幼虫が水とともに流されることもあるそうです。
雨が多いか少ないかだけではなく、気温や湿度、雨の降り方までが複雑に関係しているようです。
さらに今回の研究で注目されているのが、前回の記事でもご紹介した「エルニーニョ」とデング熱との関係です。
研究チームは、太平洋の海面水温とケララのデング熱の発生にも関連がみられ、エルニーニョのような状態では、ケララのモンスーン前の気候がより高温で乾燥した状態になり、その後のデング熱の増加につながる可能性があるとしています。
そして、この変化は実際に患者数が増える約3か月前から現れることがあるそうです。
つまり、遠く離れた太平洋の海の状態を含め、気温や湿度などの気象データを観察することで、デング熱の流行を数か月前から予測できる可能性があるということです。
もちろん、エルニーニョが起きれば必ずデング熱が流行するわけではありません。
研究チームも、エルニーニョは重要な要因のひとつではあるものの、それだけでデング熱の増減が決まるわけではないとしています。
それでも、患者が増えてから対策を始めるのではなく、数か月前から蚊の繁殖を防ぐ取り組みや医療体制の準備ができるようになれば、多くの人を守ることにつながります。
研究ではさらに、気候変動が進むことで、今後ケララのデング熱が増加する可能性についても指摘されています。
気温の上昇が続いた場合、2021年から2040年には、1995年から2014年を基準としてデング熱の発生率が16~20%ほど増える可能性があると予測されています。
ただし、これは気候による変化を中心に計算した予測であり、蚊の駆除対策や医療・衛生環境の改善などによって、実際の状況は変わります。
大切なのは、こうした研究を将来への警告だけで終わらせるのではなく、早めの対策につなげていくことなのだと思います。
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モンスーンによる洪水や土砂崩れは、目に見える大きな災害です。
けれども、その雨が過ぎたあとにも、感染症や衛生環境、生活への影響は続いていきます。
そして、そのような環境の中でも、子どもたちは学校へ通い、勉強し、毎日の生活を送っています。
今回届けた生活物資も、一つひとつは決して大きな支援ではないかもしれません。
それでも、毎日の暮らしを少しでも安心して送ることができること。
そして子どもたちが元気に学校へ通い、学び続けられること。
そうした日常を支えることも、欠かせない支援のひとつになると思います。
これからもSEEDS-INDIAの活動を通して、ケララで暮らす子どもたちや地域の方々の様子を見守りながら、その時々に必要な支援を続けていきたいと思います。
雨季が終わりへと向かうケララで、子どもたちがこれからも元気に学校へ通い、安心して学び続けることができますように。
そして、デング熱をはじめとする雨季の感染症から多くの方々が守られ、穏やかな日々を過ごせることを願っています。
いつも子どもたちとSEEDS-INDIAの活動を温かく見守り、支えてくださっている皆さま、本当にありがとうございます。








